レポート『CREATIVE SHIFT ― 未来の仕事とクリエイティビティ』を公開

クリエイティビティの神話をほどき、次の実践を編む

ヨコク研究所は、新刊レポート『CREATIVE SHIFT ― 未来の仕事とクリエイティビティ』を2025年6月27日に刊行しました。

あらゆる場面で「創造性」が求められる現代。しかしこの言葉は、冷戦下のアメリカで制度的に生み出され、ビジネスや教育を通じて浸透した人工的な概念にすぎませんでした。果たして、わたしたちが信じる「クリエイティビティ」とは何を意味し、社会や働き方にどんな影響を与えてきたのでしょうか。そしてこれから、どのように問い直すべきなのでしょうか。

本書では、人文地理学者オリ・モウルド氏、働き方研究家・西村佳哲氏、環境社会学者・宮内泰介氏ら、多様な識者へのインタビューを収録。「体験設計」「組織づくり」「社会調査」「コミュニケーション」「コミュニティ」といった切り口から、創造性をめぐる新たな視点を探ります。

コクヨ・ヨコク研究所と黒鳥社が共同で進めた本プロジェクトは、創造性を資本主義的な管理装置としてではなく、社会を更新する批判性とつながりの力として捉え直す試みです。未来の働き方と社会のあり方を考える一冊として、ぜひご覧ください。

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【目次】

◎誰のためのクリエイティビティ?
山下正太郎(ヨコク研究所)

◎クリエイティビティの誤解
オリ・モウルド インタビュー

◎5つのクリエイティブシフト

体験設計のクリエイティビティ
── 藤井保文(ビービット日本リージョン代表)
顧客起点のビジネス革命を牽引する中国の事例を手がかりに、UXを組織全体に浸透させる発想を探る。

組織づくりのクリエイティビティ
── 西村佳哲(プランニング・ディレクター、働き方研究家)
「環境×プロセス×関係×人×意味×仕事」の掛け算から働く制度設計を再構想し、働き方の意味的危機に向き合う。

社会を読み解くクリエイティビティ
── 宮内泰介(北海道大学教授、環境社会学)
「聞く」という行為を出発点に、複雑な社会問題(wicked problems)に対する調査と行動のあり方を考える。

コミュニケーションのクリエイティビティ
── 篠田真貴子(エール株式会社取締役)
「聴く」を組織文化の基盤に据え、多様な個を活かす石垣型組織を構想。人材戦略の「ラストワンマイル」を解消する視点を示す。

コミュニティと向き合うクリエイティビティ
── 関治之(コード・フォー・ジャパン代表理事)
シビックテックの実践を通じ、自律分散的なコミュニティ運営の方法論と、実践から生まれる民主主義の可能性を論じる。

◎BOOK LIST
クリエイティブを問い直すための必読書ガイド

【書籍詳細】
書名:クリエイティブシフト ― 未来の仕事とクリエイティビティ
編集:ヨコク研究所+黒鳥社
アートディレクション:藤田裕美(FUJITA LLC.)
発行日:2025年6月27日(金)
発行:コクヨ株式会社
制作:株式会社黒鳥社
判型:A5変型/64頁

フィジカル版は、TIGER MOUNTAIN の店頭にて部数限定で無料配布(なくなり次第終了)
デジタル版は、こちらよりダウンロード可能