統計レポート『同調から個をひらく社会へ ―文化比較から紐解く日本の働く幸せ―』を発刊
制作・撮影:Studio Kentaro Nakamura
——————————————————————————————————————————————————
——————————————————————————————————————————————————
日本における働く幸せを探究する
ヨコク研究所は、京都大学・内田由紀子教授との共同研究を通じて、日本特有の働く幸せを探究した統計レポート『同調から個をひらく社会へ ―文化比較から紐解く日本の働く幸せ―』を発刊しました。
ワーカーの生産性・幸福度の低さ、イノベーションの停滞、孤立・孤独の蔓延、少子高齢化による将来への不安。長年にわたってこれらの問題が日本社会を覆い、人々は仕事への熱意や希望を失いかけているように見えます。では、これからの日本で働く幸せはどのように見出せるのでしょうか。
その方法は世界共通ではなく日本ならではの方向性も存在するはずです。そこで、本レポートではアメリカ・イギリス・台湾の3エリアとの比較を手がかりに、日本の社会および職場における幸せのあり方や要件を統計的に紐解きました。
以下では、その結果を少しだけご紹介します。
「融けこむ職場」から「結いあう職場」へ
※P.34, P.61~P.63
日本は同調ともいえるほど「他者との親和」を重んじるワーカーが多いですが、個人の幸せやイノベーションの観点では自律的な行動が重要となります。しかし、日本では自律性を「利己的」や「孤独」と結びつけ、自己主張や意見の衝突といった不調和を疎ましく感じやすいといわれます。
そこで、もし同調的な雰囲気が蔓延する職場(融けこむ職場)から個人の自律性と集団の協調性が両立する職場(結いあう職場)へ変革する場合、いきなり自律的な言動を促すのではなく、まずはチームメンバーとの親密さを築いたうえで互いに主張しあうことが適切でしょう。
“CARE Place” で親密な関係性を醸成する
※P.65~P.68
では、メンバーとの親密な関係はどのように築けばよいのでしょうか。その一歩は互いの「主観」を知ることだと考えられますが、打合せや1on1のなかで個人的な意見を問われても、臆して答えづらい人も少なくないでしょう。そこで提案したいのは、業務とは少し離れた活動を通して互いの意見や思想を垣間見ることです。本レポートでは、そのような活動を支える場として、下記4つの体験の頭文字をとった“CARE place”を提言しています。“CARE place” のような親密な関係性をケアする場が、組織における自律と協働の連鎖を引き起こすはずです。
- Culture:明確な組織風土を体感する場
- Advance:仲間と互いに学び、高めあう場
- Relationship:相互影響・互助のコミュニティの活動拠点
- Encounter:新奇な人や情報と出会う場
——————————————————————————————————————————————————
——————————————————————————————————————————————————
●発刊記念イベント開催
本レポートのテーマに沿って、共同研究パートナーの京都大学・内田由紀子教授と弊社代表取締役社長・黒田英邦によるトークイベントを開催予定です。
開催日時
2024年2月21日(水)18:30~20:00
開催場所
The Campus (コクヨ品川オフィス)
定員
100名(定員に達し次第締め切ります)
参加費
無料
登壇者
内田由紀子氏(京都大学 人と社会の未来研究院教授)、黒田英邦(コクヨ株式会社 代表取締役社長)
概要
本レポートのテーマである人間関係・組織文化・ワークプレイスなどを切り口に、「ウェルビーイング×働く」について探索するイベントです。ウェルビーイング研究のトップランナーである内田教授による理論的な視点と、9年間企業経営に携わってきた黒田による実践的な視点の両面から、日本の組織・職場の道筋を考えます。経営・人事・総務に従事される方はもとより、同僚や地域との関係性、組織文化の醸成、チームの幸せを高める場、などのトピックにご関心のあるワーカーにおすすめの内容となっております。
※ 詳細やお申込みについては、ヨコク研究所のホームページやコクヨ公式X(旧twitter)にて随時お知らせいたします。