書籍『YOKOKU Field Notes #03 インドネシア・集まり方の作法』を出版

自律協働的な「集まり方」を巡る、4つの活動のケース・スタディ
ヨコク研究所は、コクヨが目指す「自律協働社会」の兆しを研究員自ら個別の地域に赴いて探索する、ヨコク研究所のリサーチ活動〈YOKOKU Field Notes〉のシリーズ第3弾となる書籍、『YOKOKU Field Notes #03 インドネシア・集まり方の作法』を2025年5月13日(火)に発売いたします。
ルーツの構築性をテーマに台湾各地に芽生える営みを紹介した01号、韓国で”勝ち/敗け”の枠組みの外にある取り組みを探った02号に続き、本号では「集まり方」、すなわち個人同士が集い協働へと発展するプロセスを問い直すべく、インドネシア各地をフィールドに、4つの活動の背景と環境、当事者の姿勢を取材・レポートしています。
民族・言語・宗教・自然生態系に至るまで、多様な島々が一つの国家として成立するインドネシア。現代美術の分野を中心に、協働的な活動形態である「コレクティヴ」という切り口でも近年注目を集めています。しかし、彼らの「集まる」行為と集団への観念は、西洋概念の「コレクティヴ」が充てがわれる以前からそれぞれの文化的背景の中で培われてきたものではないか。このような問いが本書の取材の根底にあります。
〈YOKOKU Field Notes〉シリーズ第3段となる本書では、インドネシアにおける「集まり方の作法」をキーワードとして、美術家集団、森林レンジャー隊、メディア制作集団、「食」の在野研究集団という4つの活動を巡ります。ヴァナキュラーでありながら普遍性を内包する、インドネシア各地の集まり方を、個別の営みから見出す一冊です。
- 〈Jatiwangi Art Factory〉西ジャワ州・ジャティワンギ
瓦産業とアートを通じて住民の街づくりへの参加を促す美術家集団 - 〈LPHK Damaran Baru〉スマトラ島・アチェ州
コーヒー農園拡大のための伐採と対峙する、山間村落の女性たちによる対話型森林レンジャー隊 - 〈Videoge Arts & Society〉フローレス島
観光開発の煽りを受ける港町で”普通の住民”主体の街のあり方を探るメディア制作集団 - 〈Bakudapan Food Study Group〉ジョグジャカルタ
美術家と文化人類学者たちによる「食」の在野研究グループ
■ 目次
概要
- リサーチを紐解くキーワード
- リサーチの概要
本編
- 事例1:Jatiwangi art Factory
瓦職人が鳴らす公共圏の音色 - 事例2:LPHK Damaran Baru
森の中のコーヒートーク・パトロール - 事例3:Videoge Arts & Society
“普通の住民”がつくるフェスティバル - 事例4:Bakudapan Food Study Group
ポスト・ノンクロンの在野研究者たち
コラム
- 「集まり」を後押しする素地(廣田 緑)
- どっちつかずの私とあなたへ(北澤 潤)
- 「集まり」それぞれの意味(廣田 緑)
- つきまとう家族主義からの脱出と対峙(西 芳実)
編集後話
■ 書籍概要
『YOKOKU Field Notes #03 インドネシア・集まり方の作法』
発売日: 2025年5月13日
価格: 1,200円(税別)
サイズ: B5判 厚さ約8mm 128頁
ISBN: 978-4866821061
発行: コクヨ株式会社
販売: 全国の独立系書店等及びAmazonで発売中。取扱店の情報は下記に掲載しています。
※取扱店は今後増える可能性がございます。
書籍に関するご注文・お問い合わせ
YFN書籍取扱窓口 yokoku_order@kokuyo.com
【YOKOKU Field Notes】
〈YOKOKU FIeld Notes〉は、コクヨが目指す「自律協働社会」の兆しを個別の地域から探索するヨコク研究所のリサーチ活動とそのレポートです。
同じ時代を異なる環境条件で生きる人々の中に身を投じ、現地での取材を通じてその営みの断片にふれることで、既存のシステムや規範をかいくぐるオルタナティブな社会のあり方を探り、問い直すことを目的としています。
【ヨコク研究所】
未来社会のオルタナティブを研究・実践する、コクヨ株式会社のリサーチ&デザインラボ。「ワクワクする未来のワークとライフをヨコクする」というコクヨのパーパスの下、「リサーチ」「プロトタイピング」「エンパワメント」を活動の中心においています。指針となる未来シナリオを更新しながら、発信によって生まれたコミュニティと共に新たな社会像をつくり上げます。
【コクヨが考える「自律協働社会」】
コクヨは、個々の価値観と行動が尊重されながら、人と人との関わり合いも大切にされる社会の構築が必要であると考えます。誰もがいきいきと暮らす未来に求められるものは、「自由な個人」と「協調的なつながり」とが共に成り立つ舞台です。一人ひとりの個性が尊重され自由な発想で輝くことができる。他者と互いの価値観を尊重し合い、共に発展していく。人やモノ、環境がフラットにつながることで、社会をよりよくするための協働があちこちで生まれる。コクヨはこのようなワクワクする未来を体現する「自律協働社会」の実現を目指します。



