WORK IN PROGRESS その12|プロジェクトの語りかた

ヨコク研究所+MUESUM+吉勝制作所は、予測しえない出来事や偶然性を受け入れながら、目の前の出来事に反応することで新たな思索へと導くような“リサーチ手法のプロトタイピング”を実験・実践しています。ここでは、そのプロセスをご紹介。

展覧会をつくる

「七連続鑑賞会ふりかえりオフ会」を終え、モノローグ映像を素材にどんなまとめ方が考えられるか、共同企画者の市岡さんとともに協議を進めていきました。そこで、モノローグ撮影時の聞き手が話し手の印象的な言葉を抜き出す、映像制作の一端を参加者と共有するアイデアが出てきました。参加者と運営者、素人と専門家といった枠組みを超え、ものをつくりながら混ざり合っていくこと。GRASPがさまざまな場面で取り組んできたことのひとつでもあります。

プロジェクトがスタートして約2年。これまで、山形の野山や品川のまちといったフィールドだけでなく、オンライン上の定例会、日常といったあらゆる場所で、各々がさまざまに拾い上げてきたものたち(GRASPの取り組みにおける身体つきをつくるヒントになりそうなものや、これはいつか役に立つかも……?というものまで)を通して、GRASPの姿勢を非言語的に伝えるアニメーションが生まれました。そして、そのアニメーションを連続鑑賞会のなかで参加者とともに咀嚼し、ふりかえりオフ会の場であらためて他者へ向けた言語化を行いました。非言語/言語の往復をひとまわり進めた今、プロジェクト全体を俯瞰して語るとしたら、適切なメディアはなんでしょうか。

本のような、ある種読み手の環境や熱量に委ねるメディアではなく、私たちメンバーの熱量がダイレクトに伝わるようなメディアを考えたとき、メンバーの頭に浮かんだのが「展覧会」でした。

その13へつづく